

質問にあるお子さんは、固有感覚の情報を脳に上手く取り込むちからが弱いことがあります。そのために、相手には強い刺激でも子ども自身は弱く感じたり、もっと強い刺激が欲しくてそのような行動になってしまう可能性があります。また一般に、感覚情報に受け取りが弱い子どもは、脳に十分な刺激が届かないためにボーッとしていることが多く、子ども自身も無意識に覚醒レベルを高めるようにな遊びを行うこともあります。
質問にあるような行動は、自ら覚醒レベルを高めるための行動とも考えられます。このようなこどもたちは、友達との遊びの中で力加減が分らないために乱暴な子どもと誤解され、トラブルになることもあります。
このような行動に対して対応としては、強めの固有受容感覚がしっかり入る遊びや活動を日常生活の中に取り入れることが重要になります。友達に抱きついたり親が寝ている布団の上に乗る代わりに、布団を運んでもらったり、お手伝いとして重たい荷物を運んでもらう等の方法が良いとされています。
また、抱きついたり布団に上に乗るのは、固有感覚の刺激だけではなく、抱きつくことで得られる触覚の気持ちよさや満足感を欲しているとも考えられます。そう考えると、相撲やレスリングごっこなど、スキンシップがたくさんできて力も使う遊びも良いかもしれませんね!
更に、ギュッと抱きついて友達が「やめて!」と反応したり、親が「重たい!」と反応するのも面白くて繰り返している可能性もあります。そのような場合、「やめて」という反応がかえって子どもの行動を強めてしまっている可能性もあるので、ただ注意するだけではなく、すかさずやっても良い遊び方に誘うのも良いでしょう。相手が大人であれば、あまり強く反応せずに静かに別の遊びに誘うのも良いかもしれません。
そして、トラブルを防ぐためには、友達に「〇〇ちゃんは一緒に遊びたいんだって」と子どもの思いを通訳して上げ、実際にどの程度の力で接するといいのか手を取って教えるなど、子どもの遊びたい気持ちが相手にも伝わる表現方法や、抱きつかれると嫌な人もいること教えてあげる必要があります。
今後もお子様たちの気持ちに寄り添いながら、わたしたちはぴねすは療育に励んでいきます!!!
「子どもの理解と援助のために 感覚統合」から引用