

感覚統合上の問題は、普段の子育ての中で何となく感じる育てにくさや落ち着きのなさ、不器用さ、癖など、さまざまな発達の領域に現れます。
最近では、日本各地で健診などで発達障害の特性を早期に発見し対応する取り込みが進められていますので、昔に比べる早期に問題が気づかれやすくなっています。
しかし、それが必ずしも感覚統合の問題と関連付けて理解されるとは限りませんし、また発達障害を持つ子供すべてが感覚統合の問題を持つわけでもありません。その意味では、感覚統合療法の適応となる子供たちの見分けは専門家でも難しいものです。
感覚統合療法の適応ここでは、発達障害が疑われる症状の中から比較的感覚統合障害と関連がありそうな子供たちの症状について簡単に説明します。
幼児期では、寝返り、腹這い、歩き始めの時期が少し遅い子供や、感覚刺激にとても敏感なために、抱かれることが嫌がったり、足で支えて立とうしなかったり、夜泣きが激しかったり、寝つきが悪かったり、眠りが浅いなど、大変育てにくい子供たちがいます。
幼稚園・保育園に通う頃になると、動きが活発すぎて目が離せなくなる子供がいます。
また、はさみの操作や、色塗り、お絵かきのような場面で手先の不器用さが目立ったり、お遊具や三輪車等丸丸名運動が苦手で、この様な活動を嫌がる子供もいます。
また、刺激に過敏なために集団行動や大勢の子供たちが集まる場所に行くのを嫌がったり、逆に刺激に気付きにくいために行動が友達よりワンテンポ遅れがちであったり、力加減が分からず友達を強く押してしまう等、周りの子供たちと上手く遊ぶことが苦手な子供もいます。
また、情緒不安定で、よく泣いたり怒ったりガ目立つ子供もいます。
学齢期では、落ち着きの無さや気の散りやすさがおおきな問題とされやすくなります。不器用さがある子どもは、音楽でピアにか、笛を吹いたり、図工で絵を描く等細かいことをするのが苦手だったり、字が下手で、体育では縄跳びのような手と足の動きを一度にリズミカルに行う運動が苦手だったりなど、多くの課題に苦手が目立つようになります。
そこで子供は強いストレスを感じたり、注意や叱責を受けやすく、不登校や腹痛などの身体症状を子供もいます。学習面でも、読み、書き、算数などの難しさを子供もいます。
一方、学習面は得意でも、対人関係の苦手さが目立つ子供もいます。感覚調整の問題はその他にも、偏食や睡眠等子供の生活全般にも影響していることがあります。
このような症状を見せる子供たちの中に感覚統合の問題を持つ子供が多く含まれていますので、子供の生活全般に注意を払っていだければとおもいます。
《子供の理解と援助のために感覚統合》から引用